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コロナ禍と協働的なアートのゆくえ

最新号コロナ禍と協働的なアートのゆくえ

画像提供:The Archive of Public Protests, Digital Photo, 2020. Courtesy of Artists.

登 久希子


 2020年の年明けから徐々にくすぶりはじめた「コロナ禍」は春先までにはあっという間に世界中を混乱に陥れ、それぞれの日常的な計画や普段の生活を激変させてしまった。コロナ禍は終わったわけではなく、まだまだ今後を模索していく段階にある。だが、つくり手、鑑賞者、研究者を含めたアートの現場に関わる人たちの、およそ2年における経験をここで一度まとめて聞き、読み、考えてみることは今後の模索のプロセスのためにも重要だと思う。この特集では「協働」や「参加」が重要な意味をもつ作品やプロジェクトと関わりのあるアーティストや関係者が、コロナ禍をいかに生きてきたのか、コロナ禍を経て彼/彼女らの制作や世界の見方がどのように変化しているのか、その一端をインタヴューや寄稿を通して明らかにし、これからのアートをいかに語る/みる(*1)/研究していくのかについて考えていきたい。人やものとの物理的な接触を最小限に抑えることが推奨され、さまざまな実践がオンラインへと移行したなかで、他者との直接的で協働的な関わりを重要視してきたアートに、またそのようなアートとの関わり方に、コロナ禍はどのような影響や変化をもたらしたのだろうか。あるいは変わらなかったことは何なのだろうか。そんな問いに対する考察を深めるためにも、ここで書かれたり語られたりすることは多くの示唆を与えてくれるだろう。 

登 久希子


 2020年の年明けから徐々にくすぶりはじめた「コロナ禍」は春先までにはあっという間に世界中を混乱に陥れ、それぞれの日常的な計画や普段の生活を激変させてしまった。コロナ禍は終わったわけではなく、まだまだ今後を模索していく段階にある。だが、つくり手、鑑賞者、研究者を含めたアートの現場に関わる人たちの、およそ2年における経験をここで一度まとめて聞き、読み、考えてみることは今後の模索のプロセスのためにも重要だと思う。この特集では「協働」や「参加」が重要な意味をもつ作品やプロジェクトと関わりのあるアーティストや関係者が、コロナ禍をいかに生きてきたのか、コロナ禍を経て彼/彼女らの制作や世界の見方がどのように変化しているのか、その一端をインタヴューや寄稿を通して明らかにし、これからのアートをいかに語る/みる(*1)/研究していくのかについて考えていきたい。人やものとの物理的な接触を最小限に抑えることが推奨され、さまざまな実践がオンラインへと移行したなかで、他者との直接的で協働的な関わりを重要視してきたアートに、またそのようなアートとの関わり方に、コロナ禍はどのような影響や変化をもたらしたのだろうか。あるいは変わらなかったことは何なのだろうか。そんな問いに対する考察を深めるためにも、ここで書かれたり語られたりすることは多くの示唆を与えてくれるだろう。 

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