2019年、宮城県石巻市大川地区で撮られた2本の映画、『春をかさねて』と『あなたの瞳に話せたら』。
1996年生まれの映画作家、佐藤そのみが、自身の体験をもとにフィクションとドキュメンタリーの手法で描いた“その後の私たち”。各地の自主上映会で評判を呼んだ映画が、満を持して劇場初公開。

12/7(土)~12/27(金) シアター・イメージフォーラムにて<3週間限定>公開ほか全国順次ロードショー
公式サイト:
https://haruanata.com/

→「佐藤そのみ監督にきく、大川小学校事故をめぐる二つの作品の制作プロセス―フィクションとドキュメンタリーの表現をめぐって(前編後編)」

映画「春をかさねて」©Sonomi Sato

『春をかさねて』
「妹さんの安否を知ったときのこと、教えていただけますか」
14歳の祐未は、被災地を訪れるたくさんのマスコミからの取材に気丈に応じている。一方で、同じく妹を亡くした幼馴染・れいは、東京からやってきたボランティアの大学生へ恋心を抱き、メイクを始めた。ある放課後、祐未はそんな彼女への嫌悪感を吐露してしまう。
二人の女子中学生の繊細な心の揺れを瑞々しく描き出すフィクション。震災遺構として現在は立入禁止となっている大川小学校などで撮影された。

製作・監督・脚本・編集: 佐藤そのみ
撮影: 織田知樹 李秋実
録音: 養田司 中津愛 工藤忠三
出演: 齋藤小枝 齋藤桂花 齋藤由佳里 芝原弘 秋山大地 安田弥央 幹miki 鈴木典行
2019年/日本/カラー/45分

『あなたの瞳に話せたら』
東日本大震災による津波で児童74名・教職員10名が犠牲になった石巻市立大川小学校。大川小で友人や家族を亡くした当時の子どもたちは、あれから何を感じ、どのように生きてきたのか。それぞれが故人に宛てた手紙を織り交ぜながら、自身も遺族である「私」がカメラを持って向き合う。震災から8年半、時間が変えたものと変わらないもの。書簡形式のナレーションで素朴に語られる言葉に宿る、やわらかな感性に胸を打たれる。

日本大学芸術学部映画学科 2019年度卒業制作
東京ドキュメンタリー映画祭2020 短編部門「準グランプリ」「観客賞」受賞作
イメージフォーラム・フェスティバル2020「ヤング・パースペクティヴ2020」入選作
監督・撮影・録音・編集: 佐藤そのみ
2019年/日本/カラー/29分/ドキュメンタリー

映画「あなたの瞳に話せたら」 ©Sonomi Sato