「速度(スピード)が大事だ。
墨は流れて、行きたい方向を教えてくれる。」

そう語ってくれたのは、ブラジル・サンパウロ出身のアーティスト、ロドリゴ・マリネイロ。
初のドローイング作品展「Crumble」が開催されます。

流れゆくものとしての墨の力、時空を留めようとする神の力、それらに動かされるロドリゴ。
墨のドローイングとともに、人びとの「顔」が浮かび上がってきます。


 

Crumbleは、「こわれやすさ」の内にひそむ力を見つめる試みです。その静かな佇まいは、観る人をそっと作品の奥へと引き込みます。

本展は、木炭の粉塵がもつ儚さと、絶え間ない練習を通じて移ろう時間に抗い、なおも何かを成し遂げようとする人の姿を重ね合わせます。
Ghost charcoalsのポートレートは、生の感覚と、その瞬間に向き合う呼吸を紙に刻んでいます。

すべてのドローイングは一度限りのセッションで生まれ、作家の揺れる心や切迫した思いが、木炭の軌跡として線に滲み出ます。
その手の動きは、ときに「未完成」に見える痕跡を残します。しかし、その不安やざわめきの中からこそ、新たな力が芽吹いてきます。

日時:2025年10月18日(土)~11月7日(金)
場所:UltraSuperNew KURA(東京都渋谷区東2-6-18エポック)
時間:来場は予約制。要事前予約。
休館日:日曜・月曜
入場料:無料
ホームページ:https://kura.ultrasupernew.com/pages/exhibition/crumble

アーティスト
GHOSTCHARCOALSは、クリエイティブ・ディレクターのロドリゴ・マリニェイロによるアーティストプラットフォーム。
ブラジル・サンパウロ出身で2020年からは東京を拠点に活動するロドリゴは、20年以上にわたる広告業界でのキャリアの中で、Adidas、Nike、Nissan、Nespresso、Visa、Mastercard、GoDaddy、Porsche、Bazooka Candy、Sony PlayStation などとのコラボレーションを手掛けてきた。
しかし自分を取り囲むスクリーンの世界から離れたいという思いから、彼は木炭を選択。
これまでとは真逆の世界で、自ら手を動かし、新たな制作に取り組む。

(紹介:田中理恵子)