トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、2006年よりレジデンス・プログラム「クリエーター・イン・レジデンス」を開始し、東京や海外の派遣先を舞台に、さまざまな分野で活動するアーティストたちへ活動の機会を提供しています。

私たちの社会は、多様なシステムによって形成されています。生態系、あるいは政治、経済といったマクロの仕組みが、私たち個々の意識や言動、対人関係などのミクロな営みにどのように影響しているのか。そして、それらが、いかにしてマクロに還元されていくのか。

本展で紹介する11組のアーティストたちは、それぞれの視点から、複雑化していく社会構造と自身の関係性を探り、さまざまなシステムの存在や成り立ちを顕在化させることで、私たちに示唆を与えます。そして、大小無数の歯車が噛み合って、思わぬところにまで動きが伝わるように、彼らの作品は、一見無関係に見えるものたちで作用し合っているこの社会のシステムを浮かび上がらせます。

[開催概要] 入場無料/予約不要
※一部プログラムは事前予約が必要になります、詳細はこちら。
第1期|7/1(土)~ 8/6(日)
第2期|8/19(土)~ 9/24(日)
開館時間:11:00-19:00(最終入場18:30)
休館日:月曜日(7/17、9/18は開館)、7/18(火)、9/19(火)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
入場料:無料

[第1期関連イベント]
・アーティスト・トーク
日時:7/1(土)15:00-16:30 ※日英逐次通訳あり
出演:タイラー・コバーン、早崎真奈美、トレイシー・スネリング

日時:7/15(土)15:00-16:30
出演:芦川瑞季、渡邊拓也、Zakkubalan(ビデオ出演)

・パフォーマンス
日時:7/2(日)、7/9(日)、7/17(月・祝)、7/28(金)、8/5(土)
出演:タイラー・コバーン

[出展作家|滞在先:展示予定作品]
第1期
芦川瑞季|TOKASレジデンシー:「祝祭の痕跡」をテーマにオリンピック以降の東京湾周辺の埋立地を訪れ、都市の利用や所有のあり方、そこに広がる新たな生態系などを探究して制作したリトグラフとドローイングを展示します。

タイラー・コバーン|TOKASレジデンシー:16世紀に初めて来日した西洋人の描写や、歴史の文脈から、人の往来と疫病との関係に焦点を当ててリサーチし、史実にもとづいて創作したレクチャー・パフォーマンスを行います。

早崎真奈美|バーゼル:生態系を介して国境を考察した早崎は、西洋タンポポをスイスからドイツを経由し、フランスに植えるというプロジェクトを軸に、ビデオ作品や切絵、ボードゲームなどで構成したインスタレーションを発表します。

トレイシー・スネリング|TOKASレジデンシー:特定の場所やそこでの人々の体験への関心からラブホテルとホストクラブをリサーチし、インタビュー映像や写真、ミニチュア立体作品を発表し、ネオン街で生きる人々の経験を再現します。

渡邊拓也|ブリュッセル:モロッコ系移民の青年とのやり取りを契機に、国境や文化圏をまたぐ人々が抱える複雑なアイデンティティの交差性を、各地から集まる果物に重ねて制作した一連の映像インスタレーションを発表します。

Zakkubalan(アルバート・トーレン&空 音央)|TOKASレジデンシー:地震のイメージと対峙し、1923年の関東大震災から経過した日数と同じ枚数の1円玉を用いた想像都市の彫刻や、避難所運営を模擬体験できるカードゲームで遊ぶ様子を記録した映像作品を展示します。

第2期
新井 卓|ヘルシンキ、ベルトラン・フラネ|TOKASレジデンシー、ラービッツシスターズ(ベネディクト・ジャコブ&ロール=アンヌ・ジャコブ)|TOKASレジデンシー、太田 遼|台北、グシェゴシュ・ステファンスキ|TOKASレジデンシー